女子部 大学王座(準々決勝) vs立命館大学

 

(早稲田スポーツ新聞会提供 記事 安本捷人、写真 成瀬允、榎本透子)

 雨空の下で全日本大学王座決定戦(王座)2回戦を迎えた早大女子ホッケー部。ベスト4を懸け、『四強』の一角・立命大と対した。試合は予想された通り立命大にペースを握られる苦しい展開になるが、守備陣の奮闘により大量得点は許さず反撃の機を狙う。しかし早大も細かくボールを押し上げて敵陣へ迫るがゴールを奪うまでには至らず、結果0-3で敗退。だが選手たちはその内容に確かな感触を手にしていた。

    開始前は小降りだった雨脚も試合が始まると激しさを増し、サイドライン際に大きく水が浮くグラウンド状態。ストロークの球足は抑えられ、水たまりを通ればボールが止まってしまう状況の中で試合は行われた。序盤は互いに攻守入れ替わる展開。最初にシュートを放ったのは立命大だったが、すかさず早大もFB瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)が右サイドからのセンタリングで好機を演出する。しかし徐々に自陣でのプレーが増えると、前半10分に最初のPCを献上。すると続けて与えた2つ目のPCでリバウンドを押し込まれ、先制を許した。その後もディフェンスラインを突破されてピンチを迎えるが、GK高橋詩帆(スポ2=栃木・今市)の好セーブで追加点を与えない。前半35分には早大もカウンターからFW稲田くるみ(スポ4=佐賀・東明館)がPCを奪って好機を得たが、ここで決めきることはできず、0-1で試合を折り返した。

 

 後半は立命大の攻勢を受け、早大はカウンターを狙う展開。自陣でボールを持つと敵ディフェンスの裏へ長いパスを出し、稲田がそれを追う。しかし得点に繋げることはできず、後半19分には左サイドを崩され2点目を与えた。ここで高橋に代わってGKに入ったのが前の試合からスタメンを外れている南有紗(スポ4=埼玉・飯能)。すると交代早々に好セーブを連発し、味方の反撃を待った。しかし早大も好機を手にすることはできず、さらに後半28分に3点目を失うとそのまま試合終了。『四強』相手に最後まで戦い切ったが、まだその場所には及ばなかった。

 

    『四強』という見上げるほどの壁を前に、この日も勝利をつかむことはできなかった早大。しかし『四強』と対した他大学が軒並み大量失点で敗れていることを鑑みれば、0-3というスコアは十分健闘したとも言える。さらに、守備を固めるだけではなく前線までボールを繋いでPCも獲得。最前線の稲田、最後列のFB片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)がそれぞれ話した「また戦っていける」(稲田)「ちゃんと戦えた」(片柳)という言葉がその手応えを物語った。ここで王座は敗退となったが、7月9日には関学大との早関交流定期戦を控える。関西で立命大・天理大に次ぐ成績を残した関学大との戦いは『打倒四強』への大きな試金石(しきんせき)。その目標を標榜するに足る結果を出して、秋の戦いへ弾みをつけたい。