女子部 関東学生秋季リーグ 立教大学戦

 

早稲田スポーツ新聞会提供 記事 安本捷人、写真 涌井統矢、新藤綾佳 )

 9月3日午後1時。陽の光は依然として鋭く、それでも時折残暑をさらってゆく涼風が微かに秋の訪れを告げる。『打倒四強』へ向けた鍛錬の夏を過ぎ、ついに彼女達の『秋』――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ戦)が始まった。立大を東伏見に迎えた注目の開幕戦。悲願の『関東優勝』へ向けて勢いに乗りたい早大は、ペナルティーコーナー(PC)を計17度獲得するなど終始支配的にゲームを進める。課題とする決定力には一抹の不安を残したものの、7-0と大量得点で白星を挙げ、見事スタートダッシュを決めた。

 ひと夏を越えた選手の成長に期待感が膨らむ中、早大のセンターパスで試合は始まった。序盤から攻勢に出る早大の先制点は前半6分。FW井上燦(スポ4=福岡・玄海)が右サイドを駆け上がり最初のPCを獲得すると、FB片倉優季(スポ2=山形・米沢商)がフリックシュートでゴールネットを揺らした。その後、好機をつくりながらも決められない時間帯が続いたが、待望の2点目は前半20分。5度目のPCで、リバウンドをFB瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)が豪快に叩き込む。さらに前半32分にも追加点を奪い、3-0で試合を折り返した。

 後半に入っても展開は変わらず、早大が立て続けにPCを獲得していく。後半開始直後はあと一歩決めきれない様子もあったが、12分にMF南家未来(教1=京都・立命館)のリバースヒットがゴールを叩いて4点目。ここから波に乗り、17分にペナルティーストローク(PS)をMF梅村雅子(人4=岐阜・可児)が冷静にゴール左隅へ流して5点目を奪う。続けて21分、14度目のPCからFB瀧澤璃菜(スポ3=岩手・沼宮内)が直接ゴールへ突き刺して6点目を追加した。さらに29分には混戦からMF的場朱音(スポ2=滋賀・伊吹)が押し込んで、7-0。幾度となく好機をつくり続け、立大を圧倒した。

 

 『打倒四強』のため、早大が夏に重きを置いたのは攻撃力の強化。春、駿河台大戦、山梨学院大戦、立命大戦で無得点に終わった選手が口々に語った課題が「DFからの押し上げ」だった。関東学生春季リーグで5季連続となるGK王を獲得したGK南有紗(スポ4=埼玉・飯能)にベストイレブン獲得の瀧澤、片倉。そこへFB片柳陽加主将(スポ4=栃木・今市)を加えたディフェンス陣がこのチームのストロングポイントだ。その守備をいかに攻撃に繋げていけるかがカギとなる。そこで秋に目標とするのが、全員で攻撃できるホッケー。そのために走り負けしない体力も磨いてきた。この試合、地力で勝っていたとはいえ、17ものPCを獲得したことはひとつの夏の成果といえる。そして次戦は1ヶ月後、相手は駿河台大。春は引き分けたが、終始駿河台大ペースの苦しい試合展開だった。夏を経て迎えた秋。どれだけ自分のペースで試合を進められるか。あるいは苦しい展開の中で一瞬の好機を仕留め、勝ち切ることができるか。関東2番手の壁を打ち破り、『打倒四強』、『打倒山梨学院大』に名乗りを挙げろ。